むかし「人は星の数ほどいるんで、同じ悩みを抱えている人もたくさんいるんで一人で落ち込まないでください」みたいなことを書きました。
しかし。だからなんなんだと。自分の経験や気持ちは誰とも共有できない。自分一人だけが感じている痛みなんです。苦しみなんです。
「アフリカの子どもはもっと大変なんだぞ」って小さい頃よく言われましたね。この行き場のない感情と赤道直下の乾いた熱風に一体何の関係があるのでしょうか。思い出すと殺気がやばい。
ところで。この前なんとなくテレビつけたら、自分が住んでいない県の番組がやっていました。
夏休みに親戚の家とか行くと「ほぇー埼玉のローカル番組ってこんな感じなんだ」って不思議な気分になりますよね。あんな感じです。
その土地名産のおいしそうな牛のステーキが映っていました。私はこの牛、おそらく一生食べることはないでしょう。そしてその時思いました。
「この県にも自分みたいなのがいるんだろうな」と。
私は今まで、どちらかといえばあまり正しくないルートを通って生きてきました。家の中に引きこもったり、外に引きこもったりしました。図書館や銭湯によくいました。夜は山で寝ました。星がよく見えました。捜索願が出ました。
そうでなくとも、若い時って自分は違うんだとか、オレにはなにかあるんだとか思いがちです。特別なんだと。自分だけなんだと。世界の中心はここなんだと。すごいんだぞと。
でも、隣の県のすごいおいしそうなステーキの映像を観て思いました。これを食べている自分もいるだろうなと。
世の中には、自分と同じ顔の人間が3人はいるといいます。*1
また少なくとも、我々は同じ国・同じ言語・同じ学習指導要領の元育ってきたわけですから、北海道や沖縄版の私がいてもおかしくありません。あと46人はいるに違いありません。
精神的に追い込まれている状況で南国のよく日焼けした子どもたちに親近感を持つことは難しいですが、同一時間軸の別都道府県で育ったパラレルワールドの自分になら思いを馳せやすいのではないでしょうか。
普段落ち込むこともありますが、そんな時「他県に1人ずつくらいはいる自分」のことを思うと、あいつらも苦労してんだろうなって思います。こういう気を紛らわすの極地みたいなことを考えていると悩みが47分の1になり、なんかもうなんでもいいかってなります。
みなさんも落ち込んだ時、試してみてください。ダイソーでテアニン*2やGABAのサプリメントを買って飲むのもいいと思います。
*1:世の中にいる自分とそっくりな3人の人間と会う方法 | NEW NO-PUBLIC
*2:緑茶に含まれるリラックス成分。カフェインと一緒に摂ることで集中力がアップする効果もある。緑茶にはカフェインも含まれる。つまり最強