不登校二人

夢をみるのが大変うまい。たいてい幸せな夢をみます。

ただ現実との落差がありすぎて、起きると死にたくなる。たまに不幸せな夢もみますが、こっちはこっちで現実と差がなさすぎて辛い。要は、あまり夢はみたくない。

みたくないのに、昨日今日と2連続でみてしまった。しかも同じ人が出てくる楽しい夢だった。


その人は高3の時のクラスメイトで、あんまり学校に来ない人でした。

朝教室入って、その人がいなければ「なんで学校こないんだろ?サボりかよ」と思い、いれば「今日はいるな・・・」と思いました。


ただ私はその人の1.5倍くらい学校に行ってませんでした。同じ日に学校にいる確率が低いという点で気になったのでしょう。

運良く(?)2人とも学校にいた日、私はすぐ後ろの席に座るその人にプリントを渡したり、先生に呼ばれて教卓に向かって歩いては戻っていく姿をぼーっと眺めたりして過ごしました。

家で寝てるかそれだけして、私は卒業しました。


しかし数年後、この接点のない2人は同じ趣味を持っていたことが分かりました。友達の友達が友達的なアレで、人づてにその情報が伝わってきた。私はお好み焼き屋さんでその話をはじめて聞きました。

もう大人になった皆さんならお分かりいただけると思いますが、ただ後ろの席に座ってた人が今何してるかなんて普通分からない。ましてや二度と会うことなんて。こんなことあります?

もんじゃを混ぜながら、私は内心ワクワクしていました。当然思いました。運命だと。数日後、私たちは同じイベント会場で鉢合わせ、同じサークル的なところに身を置くことになりました。


そのサークル的なところで数年間他愛もないおしゃべりをしたあと、私はひきこもりをぶりかえして実家に帰り、Twitterのアカウントを爆破し、それきりでした(おしまい)


そもそもなんでその人に惹かれたかって、その人が学校に来てなかったからに他ならない。学校に来ない=何らかの暗い理由があるはず(いや免許とか取りに行ってたのかもしれないけど)で、私もそうだから親近感が湧いたんです。


「どうして学校に来なかったのか」私は聞いてみたかった。ただ、何年も前の黒歴史について、みんなでワイワイ集まっている時にあえて触れることはありませんでした。2人でご飯を食べに行くこともありましたが、それだけで私は宙に浮かんでいたので暗い話題を振れなかった。もう済んだ話ですから。
・・・ぼちぼち悪夢をみたショックも紛れてきたので、話をオチに持っていかないといけない。

結局私はどうしたかったんでしょう。その人は学校に来ない割には悩みのなさそうな顔でした。感情が顔に出ないタイプのように見えました。だからこそ、心の中ではどんなことを考えているのか気になったし、稀に見せる笑顔に心を射抜かれてしまったんです。もっと仲良くなりたかった。


コイとアイと書いて恋愛、恋すると愛してる。愛が「その人のために何かしたい」感情を指すのなら、恋はただの性欲です。相手の上っ面しか分からないし、それ以上はそこまで知りたくもなかった。その程度の感情だったんです。

当時の私はそんなことも分からないおこちゃまだったから相手にされなかったんです。今ならすれ違う人全員見境なく口説き落とすのですが。


・・・私みたいなひきこもり(今は違うよ)は自分の感情に鈍感で、隠し事が多すぎる。何もかも包み隠さず表に出すべきなんです。吐いてしまえば楽になる。

好きなら好きって言えばいいんです。本人に面と向かって言わなくても、相手に悪いからと思っても、友達にバラしてしまえばいい。そうすれば同じような毎日が、昨日までと少し違う明日になるはずなんです。

そうしないと私みたいに何年経っても昔の夢みて落ち込むしょーーーーもない大人になってしまうんです。


なぜ人間は夢をみるのか?どうしてただ普通に寝起きしただけでこんなに苦しい思いをしなければならないんでしょうか?でももう済んだ話ですから。明日は二度寝しないよう気をつけよう。


『喋り方がうつった』って言われた時が一番嬉しかった。普段語尾に「ござる」とかつけたりしないし、どううつったのか分かんなかったけど。


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